転職で給与っていくらあがるの?

給与アップをしたいと言った理由で転職を希望される方は多くいます。転職をすれば、必ず給与のアップに繋がると多くの方が思っているからです。しかし、いくらぐらいのアップが見込めるかを把握せずに、転職に踏み込むのは、転職を後悔する結果になるかもしれません。この記事では転職で期待できる給与アップの現状についてまとめてみました。

転職後に給与が上がるかどうかは、〇〇によって異なる

厚生労働省の平成27年転職者実態調査の概況(※1)によると、44歳以下の転職者は前職より給与が上がったと答える方が多いものの、45歳以上は前職より給与が下がったと答える割合が多い結果となりました。給与が転職後にあがるかどうかは、年齢によってその可能性に大きく差があるようです。その理由は、年齢がシニアに近づくにつれ定年(早期)退職やリストラ等で退職していることからが考えられます。逆に若ければ若いほど、もともとの給与が低めであるため、昇給の可能性が低いと言えます。

具体的にどのくらいの昇給が見込めるのか

転職1年目で前職より10%以上給与が増加した人(全体)は31.5%  10%以上減少41.3%
転職2年目で前職より10%以上給与が増加した人(全体)は43.1%  10%以上減少37.9%
との結果がでています。直近1年目の給与増加は認められずとも、転職2年目以降はアップする人も見て取れる結果より、時間は多少かかりますが、結果的に昇給が見込めることもあることがわかります。そのため、長期的な昇給を見据えて転職を考える選択肢もありでしょう。(※1)

こんな転職は給与が上がる

ではどんな場合の転職に昇給がみ込めるのでしょうか。
20代~40代前半の転職
⇒ポテンシャル採用があることから、特に20代前半までは転職において100%以上の昇給の割合が多いのも特徴です。30代、40代前半でも転職1年目において10~20%の昇給を経験したと答える方が一番多いようです。(※1)

高い賃金水準の職種への転職
⇒もともとベースの賃金水準の高い職種へ転職した場合です。これも職種によりますが、10%以上の昇給を望める可能性も大幅にあります。例えば同じ金融の業界でも銀行から監査法人といった転職であれば昇給が望めます。
現職と同じ業界への転職
⇒こちらは、現在までの実績や経験に付加価値が付き昇給するタイプです。自身にもスキルがあり、自分を売り込むことができる武器をもつことになるので、給与の交渉もしやすいため昇給が望めます。また特にシニア世代や30代以上の中途採用の話ですが、現職と同じ業界であれば、転職と同時に、役職に就くチャンスが比較的あります。
経験職種の転職
⇒現職とは異なる職種でも、いままでの経歴や経験から昇給が望めます。特に価値があると言われる語学ではTOEICと言った具体的な能力を示すものです。同業界内の転職と一緒で、スキルが強みとなり、また経験があるため、給与交渉がしやすいと言えます。

上記のような場合は昇給が見込めます。

こんな転職は昇給が望めないかも…

逆に、どのような条件だと昇給への道が厳しくなるのでしょうか。
未経験や別業界への転職
⇒スキルがないことや、経歴がないことは採用側からすると、信用に足らない点です。
ポテンシャルで採用されない限りは難しいのが現実です。給与が上がると思い未経験で異業界に飛び込む方も多いのですが、誰でも、すぐにできることであれば給与の平均は低くなっていくことも忘れないようにしてください。

期間が開いていた離職中の人の転職
⇒採用後、即戦力にならないと考えられてしまう可能性もあり、前職以上の給与が見込めない場合があります。また、離職の期間が開いていた理由にもよりますが、前職の経歴より能力が低下している可能性があると考えられるのも理由です。
50代~シニア世代からの転職
⇒前職と同じ条件で転職するのが困難になるからと言えます。50歳~となると定年までの期間が短いことや、管理職として勤務していた場合の給与と比較すると昇給は見込めません。
給与以外の他条件を重視する転職
⇒年間休日が多い職場となってくることがあれば、基本的には給与は安くなります。
また、残業がほとんどないことを条件にする場合も給与の昇給は望めないでしょう。

その場で昇給が望めなくても、先を見据える
「具体的にどのくらいの昇給が見込めるのか」の項でも記載しましたが、例え転職時、すぐに昇給が見込めなくても、2~3年後に大幅に昇給が期待できることがあります。例えば、入社直後は必要とされる資格を持っていなくては手当がつきませんが、入社後に資格を取得後、格段に昇給が望めると言うことがあります。

今すぐに安易に動くのではなく、将来高給を求めて転職をしたいのであれば、今の会社でも実績を作り、少しでも長く働くことです。

まとめ

給与についての条件は、仕事を継続する上でも、モチベーションアップとなる大切なものです。一方で、給与重視とこだわりすぎて、他の条件を考慮することを忘れ、こんなはずではなかったと後悔する人もいるようです。そのため、いくら上がるかの幅を考えながら、他の条件とも合わせ自分に合った企業を探すようにしましょう。

※1 リクルートワークス研究所|全国就業実態パネル調査2020

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