この記事では日本人の生涯の転職における平均回数とそれに関する内容を紹介します。終身雇用制度も今や昔の話と言える現代、転職を視野に入れる方であれば気になるトピックであることは間違いありません。
日本の生涯転職平均回数とは
2025年4月以降は高年齢者雇用安定法により65歳が定年となります。
そのため、日本のミドル世代(50~60代)の転職平均回数から数値をみていくことにすると、
調査の結果生涯における転職は2~3回が平均な転職回数と言えるようです。(※1※2)
20代後半~30歳までには、多くの人が学校卒業後に就職しています(アルバイト除く)。それから定年退職まで35~40年という計算になりますが、近年、初職からそのまま退職まで勤める方は少なくなってきていると言えます。(※1)
生涯転職回数における落とし穴
しかし、この生涯転職平均回数と言うのは、今の時代に生きているシニア世代以上の方々の結果です。戦後から今日まで、経済状況は大きく変わっています。そのためこれから転職を考える若い世代の方たちは、この平均回数の2~3回と言う数値に安堵したり、不安に陥ることはできません。では、これから転職を考える方は、どのようなことを考える必要があるのでしょうか。
男女における転職回数の違い
転職平均回数は、男女によって差があることも考えなくてはなりません。
女性が仕事を転職、または離職するタイミングは、ライフイベントに沿った出来事が理由となります。例えば結婚や出産、または親の介護等、フルタイムで変わりなく働き続けるのは困難な状況と言えます。そうなると状況に応じて転職をされることもあるため、結果的に転職回数が増えることになります。
一方男性は、現段階のシニア世代は一つの職場で長期間勤務するパターンが多いと言える傾向にあります。初職のまま定年まで働き、余生のために働く必要がある場合に転職をすることがあります。しかし、これもこれまでの話です。
現代は共働きや女性の収入が家計の主な収入源と言った家庭が増えているとはいえ、まだまだ上記のような転職、離職における男女差があるのが現実です。
平均転職回数は今後どうなっていくか
平均転職回数は、今後も増えていくことが予想されます。その理由としては、社員を長期間にわたり雇用できない企業が多いからです。国内外の不況、グローバル化、またはIT化の進歩等に追いつけない企業が事業の縮小、倒産し、会社の平均寿命が短くなっていること(※3)からそのことが言えます。では、転職回数が増えても心配はいらないのでしょうか。
転職回数が多い求職者に対する企業側のイメージ
それでも、転職回数が多いことがプラスに繋がることはほとんどありません。
定着してくれるのか
今までの経歴が浅いのではないか
周囲との順応性はあるのか
トラブルやストレスに対する耐性はあるのか
と言った点を採用する側からは懸念されることになります。採用する企業からすれば、せっかく採用し、一から教えたとしても、すぐに退職されたり、使えると思った人材が大きく期待外れな結果だったと言うことにならないよう、採用するかどうかと慎重になるのは当然のことです。そのため、転職回数は少ないに越したことはないと言えます。しかし転職回数が多くても、諦めるのは早いと言えます。
転職回数が多い場合に検討する事項
転職回数が多い方は、ここで一度、自身がどんな理由で転職をしてきたかを考えましょう。
メモとペンを用意し、下記をまとめます。
これまで転職した理由
自分が転職することにおいてこれまでの転職ではどんなことを期待したのか
これまでの仕事における反省や学び
これまでの自身の転職における傾向を知りましょう、その次にキャリアの一貫性があるか、実績を残せているかと言う点を確認しましょう。過去の自身の経歴に正直に向き合い、今までの転職について、ポジティブに採用者に伝えられるかは、転職の成功につながる重要なポイントになります。
最も、求職者のこれまでの転職の状況によって、採用者の反応は変わってくると言えます。例えば3回転職を繰り返していても、求職者が30代と50代では採用者の反応が異なります。また、業種によっても同じことが言えるでしょう。
転職回数が多い求職者におすすめすること
一番おすすめなのは、転職エージェントに相談をすることです。転職回数が多い求人者のサポートだけでなく、自己分析からスムーズに転職が勧められるようサポートをしてくれます。実際に自身で転職活動をする前に、転職エージェントに相談だけでもしてみるのがよいでしょう。
まとめ
これからの社会情勢により、生涯の平均転職回数はこれからも増えていくことが予想されます。今の職場で、自身のキャリアに一貫性をもって、実績を残していくことができれば、これまでの、転職回数はマイナスになるばかりではないと考えてください。少しでも自分の求める職場環境に行きつくことができるように、転職において自己の振り返りは、大切であることを忘れないようにしましょう。
※1
厚生労働省 労働白書
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/14/dl/14-1-3_01.pdf
※2
転職サイトの「en ミドルの転職」
https://mid-tenshoku.com/enquete_consultant/report_42/
※3東京商工リサーチ
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20200210_02.html