ボーナス数か月分って聞くけどほんとうなの?
みなさんは、現在勤めている会社でボーナス支給はありますでしょうか。
実際にボーナスを支給されたことがなかったりすると、本当にボーナスが数カ月分も支給されているのか疑わしくなってしまいますよね。
ここでは、ボーナスの支給について分かりやすくご説明したいと思います。
ボーナスとは
ボーナスとは、月次の給料が支払われている労働者に対し、月々の給料とは別に支給する給与のことを指しています。ボーナスという呼称だけでなく、賞与や特別手当など別の名称が使われることもあります。
ボーナスの支払い時期や支払い回数に特段の規定はなく、ボーナスが支給されない企業や年複数回支給される企業も。一般的には、夏と冬といった時期に年1~2回支給する企業が多い傾向にあります。
ボーナスは、労働基準法に照らし合わせると「労働の対価」として定義づけされており、支払われる賃金の一つとなっています。月々の給料の支払いは、毎月1回以上行うことが労働基準法において義務付けられていますが、ボーナスに関しては労働基準法を含めた法律上、必ず支払わなければならないものではないのです。あくまで会社が就業規則などにおいて支払うと決めた場合のみ労働条件に加わるタイプのものです。ただし、会社がボーナスを支払うという決めた限りは、そこに支払い義務が生じます。
ボーナスの算定基準とは
ボーナスとして支払われる金額はどのように決められているのでしょうか。ボーナスの金額でよく目にするのは、「給料の○カ月分」というものではないでしょうか。ここで定義づけられている「給料」を、「住宅手当などを含めた総支給額」と誤解する人もいらっしゃるようですが、あくまで「基本給の○カ月分」となります。
また、「基本給」とは会社が個人ごとに定めている基本賃金のことです。「給与」ではなく「給料」を指し、総支給額から各種手当を差し引いて計算します。具体的には、総支給額の中には交通費や住宅手当、資格取得による特別手当など、様々なお金が加算されています。ボーナスの支給対象となっているのは、それら各種手当を除いた基本給が対象となるのです。また、年齢・勤続年数・職種・スキルなど個人で異なる条件も加味してボーナスを決定することもあります。
求人募集などでボーナスについて記載があった場合、どの基準額を元として算定しているのかを確認する方が良いでしょう。
ボーナス支給額について
業種等によってボーナス支給額は違います。各業種別のボーナス支給状況を次のとおりまとめます。
令和2年夏のボーナス(事業規模5人以上)
産 業(A) 支給事業所における
労働者一人平均賞与額(D) きまって支給する
給与に対する支給割合
令和2年令和元年前年比令和2年令和元年
円円%か月分か月分
調査産業計383,431381,3430.51.010.98
鉱業,採石業等483,785575,709-16.00.701.58
建設業512,328513,611-0.21.021.00
製造業491,999515,635-4.60.990.97
電気・ガス業778,997779,700-0.11.831.71
情報通信業671,221679,098-1.21.231.25
運輸業,郵便業339,235367,466-7.70.910.98
卸売業,小売業345,445338,9321.91.011.00
金融業,保険業635,558607,5944.61.611.54
不動産・物品賃貸業447,592447,3960.01.321.18
学術研究等643,092660,402-2.61.241.28
飲食サービス業等55,29662,688-11.80.360.37
生活関連サービス等162,270159,4731.80.670.62
教育,学習支援業518,523505,6372.51.351.34
医療,福祉284,697276,1993.10.890.86
複合サービス事業434,922429,7421.21.651.62
その他のサービス業211,166208,7121.21.110.99
調査産業計
500人以上633,853652,608-2.91.471.49
100~499人418,274431,227-3.01.201.21
30~99人335,961331,2671.41.101.10
5~29人274,523261,2685.10.980.94
30人以上438,830443,167-1.01.131.13
令和元年年冬のボーナス(事業規模5人以上)
産 業支給事業所
における
労働者一人
平均賞与額きまって支給する給与
に対する支給割合
前年比
令和元年平成30年
円%か月分か月分
調査産業計389,394-0.11.021.03
鉱業,採石業等492,973-15.91.001.43
建設業494,8119.91.011.00
製造業512,022-1.21.001.04
電気・ガス業778,9523.81.781.69
情報通信業660,962-2.71.221.27
運輸業,郵便業402,3220.20.991.05
卸売業,小売業337,163-2.21.021.00
金融業,保険業621,48910.71.571.55
不動産・物品賃貸業423,7603.31.191.14
学術研究等591,689-6.21.271.34
飲食サービス業等66,202-6.00.370.42
生活関連サービス等170,13016.20.730.58
教育,学習支援業540,447-5.31.471.60
医療,福祉317,3512.50.991.00
複合サービス事業454,434-4.01.781.79
その他のサービス業229,2666.71.131.05
調査産業計
500人以上639,294-4.11.501.54
100~499人447,375-0.81.281.29
30~99人350,6831.91.141.13
5~29人273,0763.00.991.00
30人以上454,048-0.51.181.17
このように、業種によって異なりますが、一般的には1ヶ月前後から1.5ヶ月前後を支給しているところが多いようです。
ちなみに、国家公務員のボーナス支給は夏と冬を併せて4.45ヶ月分となっています。民間企業と比べると数倍の支給月数となっていますので、本記事タイトルどおりボーナス数か月分支給されていると言っても良いでしょう。
まとめ
ここまで、ボーナスの支給月数についてご説明させて頂きました。
本記事にも記載しているとおり、どの業界もボーナス支給についてはバブルの頃のように華々しい現状ではないことが伺えます。
また、会社によってはボーナスが寸志程度しか支給されなかったり、全くゼロというところもあります。昨今では、新型コロナウイルスの影響を多大に受けている業界が非常に多いため、会社の業績が芳しくないところも多々あることから、ボーナスが支給されているだけでもありがたいと感じている人が多いのかもしれません。
これから転職を検討される方にとって、支給されるボーナスも転職先を決める重要な要素となることでしょう。本記事に記載したボーナス支給月数を参考として、どの業種に転職するのかを決めても良いでしょう。
少しでもこの記事が、皆さまのお役に立つことができれば幸いです。
参考文献:
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r02/02k/xls/2020kakishoyo02.xlsx
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r02/0202p/xls/2002c05p.xls
(厚生労働省公表資料より)