退職届を出してどれくらいで辞められるの?

退職届を出した後、どのくらいで辞めることができるのでしょうか。退職届が受理されない、なかなか上司にやめさせてもらえないなどの話は耳にしますが、一般的にはどのような取り決めがあるのでしょうか。この記事を読むことで、退職届を出してから実際に退職するまでの答えがわかります。

退職にまつわるこんなトラブルがあるかも?!

残念ながら、退職においてトラブルが起きることもあります。次の就職先が決まっている方は十分気をつけましょう。ここではその事例を紹介します。

Aさん
⇒退職希望日の一か月前に、所属の上司まで退職願を提出したAさん。次の転職準備を進めており、退職については上司から指示がでると思い待っていた。しかし、上司には退職願を受理されていなかったため、希望日の2か月後に退職届を出し、退職する運びとなった。

Bさん
⇒一年前からキャリアアップのために転職考えていたBさん。いよいよ転職先が決まったために、現職場を退職することとした。現職場の勤務規定には退職希望日の2か月前までに上司に退職希望を伝えるようにとの旨が書いてあった。そのため上司には規定通りに退職を口頭で伝えた。しかし、後々上司より「退職なんて聞いていない」、「残ってくれ」と言われ、結局退職まで半年かかってしまった。

このようなことが起きないように、どのような点に気を付け、退職までの準備を進めたらよいのでしょうか。

退職願?退職届?辞表?

退職届、退職願または辞表と何となく聞いたことはある方は多いはずですが、それらにはすべて違いがあります。

退職願
⇒雇用される者が、雇用の契約解除希望を雇用者に申し出る際に提出するものです。
 特に提出の決まりはありません。口頭の場合がほとんどです。しかし、退職願を出すことによって、自身は退職意志を示したと言った証になることや、退職に対する強い意志表明として認識してもらえる目的にもなります。この書類や意志を伝えた後に、雇用者は契約解除について検討を始めます。また、この書類の場合は基本的に取り消しは有効です。

退職届
⇒雇用される者の退職の希望を、雇用者が受理した場合に提出する書類です。退職する、しないと言った認識の違いを防ぐためにも存在しています。会社で提出する規定や様式がある場合もありますので、確認しましょう。法的には口頭で申し出ることも可能です。こちらは基本的には取り消しが効かないものですので、一度退職を申し出たけれど、踏みとどまっている…などの場合は勢いで提出してしまうことがないようにしましょう。
 

辞表/辞表届
⇒公務員や、経営層が役員を辞める際に提出する書類のことです。基本的には一般企業の職員や社員は使用しません。退職届と立ち位置は同じです。言葉を理解しておきましょう。基本的には取り消しが効きません。提出した時点で、契約解除と同じであると考えます。

退職までのスケジュールと期間について

ここで、退職までの流れを把握し、スケジュールを立てましょう。
①転職等で退職を決める
②会社規定の退職について確認
③退職願を作成する。退職希望日を記載しておく。
④所属部署の上司に退職を申し出で、退職願を提出する。(口頭だけでも良い)
⑤退職が承認されるため、正式な退職日を雇用者(または担当者)と決定する
⑥会社の規定に沿って退職届を提出する
⑦社内・社外での業務引き継ぎや退職あいさつ
⑧退職へ

退職については、希望日の1~3か月前までに所属部署の上司に伝えることが一般的です。しかし、これは一般に言われているマナーや、そのようにしている会社が多いだけです。
➁でも記載しましたが、基本は自身の勤める会社の規定を確認しましょう。退職希望日よりから逆算し、どのくらいの期間までに申し出るべきかと言った記載があるはずです。規定についてわからない場合は、退職をスムーズに行うためにも入退職担当の部署に事前に確認しておく必要があります。
また、年単位で転職の活動をしている方は、前もって定期的な面談で、今後のキャリアプランや退職を考えることも報告、相談しておくのも手であると言えます。

法的な面で考えると一方的な退職はどうなのか

では、冒頭にあった事例のような場合、一方的に退職をすることは法的にどうなのでしょうか。
実は民法第627条には正社員のように期間の定めのない労働契約の場合は「解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了」すると定められています。ですから、会社の同意がなければ退職できないというものではありません。退職願を出してから2週間が経過すれば、会社の承諾がなくても退職することはできます。しかし、引き継ぎがしっかりとできないと、残された社員、職員が困ることになります。他にも、同じ業種や業界での転職であった場合、円満に退職できないことによるマイナスが、次の転職先で尾を引くこともあります。これまでの人間関係にも問題がでることも考えられるでしょう。

まとめ

転職してよかったと思える今後にするにも、退職のスケジュールはしっかりとたてなければなりません。この会社からはいなくなるのだから、どうでもよいと言う無責任な考えでは後々問題が起こることになります。退職する時まで、あなたの人間性を、周りは見ています。

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